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第65回　群馬県美術展覧会　「企業メセナ群馬賞」受賞者

題　名：森の朝
種　類：日本画
大きさ：F30号

＜選評＞
　繊細な描写力・豊かな色彩・自己の個性を大切にし、その上に篤実に清らかに仕事を築いていくのがこの作者の生き方なのでしょう。温和な画境の中に鋭い近代眼と粘りを秘め、しかも何人も犯し得ぬ強いシンを秘めているのを見逃してはならない。今後の精進を期待したい。
（文責：角田　信四郎）

＜受賞者のことば＞
　この度は、「企業メセナ群馬賞」を賜り、大変感激しております。
　この絵は、早朝、徒歩でパートに向かう途中の道路沿いにある雑木林を描きました。人手の入らない木々は自由に枝を伸ばし、その枝を支えに烏瓜やくずのつる等があらゆる方向に伸び、花や実をつけていました。朝日を受け輝く風景を見ることで、清々しい一日を始めることが出来ました。
　この絵は、その風景を描きました。細かい部分が多く全体のバランスや色使い等に気を使い悩んだ作品でした。そのため、今回の受賞は大きな喜びとなりました。
　これからも努力してまいります。ありがとうございました。

題　名：アフタヌーン
種　類：油彩
大きさ：F30号

＜選評＞
　黒川紀章の作った窓ガラスの多い新国立美術館の壁や床に写った影や光が美しい。普段はたくさんの人間がいるフロアーに座って読書している人・歓談している２人だけ静謐な美しさがある。アフタヌーンという題名は作者の心の中の風景なのだろうか。
（文責：石井　克）

＜受賞者のことば＞
　このたびは、「企業メセナ群馬賞」をいただき、大変嬉しくまた評価をしていただいた事に感謝をしております。
　受賞作品は、国立新美術館の休憩所を描いたものです。私はかねがね光について表現したいとレンブラントなどの光を描く画家について興味を持っており模写をして学んだりしました。作品は美術館で休んでいたところ光が差しこんでいる光景を目にして心に響くものを感じ描いたものです。

題　名：母と子
種　類：木
大きさ：45×38×23cm

＜選評＞
　木という素材が作品のテーマに沿って優しく温もりのある作品に仕上がっている。彫刻的表現として、魂を感じさせる強い存在感ある作品となっている。
（文責：桑原　秀栄）

＜受賞者のことば＞
　この度は昨年に引き続きまして「企業メセナ群馬賞」を頂きまして誠に有難うございました。企業メセナ群馬様の芸術文化の普及向上、発展に寄与されておりますことに心より感謝お礼を申し上げます。
　木彫をしておりますと日頃のストレスがすっかり解消されとても良い刺激になります。作品の大きさには体力的に厳しくなり今回は少し小さい作品ですが「母と子」のいとしさを表現してみました。
　木のぬくもりに心が癒され続けて来られた事に感謝しております。来年も人の心をとらえられる様な作品を作ることが出来れば幸いかと思っております。この度の受賞を心の励みとして精進していきたく思います。大変有難うございました。

題　名：青い波
種　類：紙
大きさ：180×59.5cm

＜選評＞
　紙を素材にした作品で、切り取られた紙を何重にも重ねて半立体的に構成され、色彩も軽やかで心地よくさわやかな作品に仕上がっている。
（文責：前田　勝利）

＜受賞者のことば＞
　この度は、初出品でこの様なすばらしい賞を頂いた事に感謝の気持ちでいっぱいです。紙を使った作品を、毎日継続的に作成する様になって20年。最初は平面に切って貼るだけでしたが、2001年群馬国民文化祭に出品する３mの立体を作成しました。
　今回の作品は、その頃からアイデアを温めて来たデザインです。
　パーツを組み合わせて作るのですが、なかなか思いどおりには行かず作り上げるまでには何回も投げ出したくなりました。パーツは三日月形です。この形はいろいろなイメージを作り出す事ができるのです。今回は波の力を表現したいと思いました。波も風も雲も、同じ力です。色やデザインを変えれば風を表現する事も可能な、おもしろいパーツです。
　これからも、紙の素材を追求して行きたいと思います。